読書メモ 2008/07/12
今週はちょっと読みました。
『タイムトラベルの哲学』は期待はずれ。思考実験の結果をきれいに整理して書いてあるのですが、内容は目新しいものではなく、タイムトラベルについて深く考えたことがある人なら、だれでも思っていたに違いないようなものばかり。時間の多重性(パラレルワールドのことではなく、時間そのものが多重構造になっている)について、新しい視点のようなことが書かれていますが、残念ながら、そういう考え方はいろいろなSF作家が試行錯誤してるんですね。時間SFを書く作家さんたちは、矛盾を内包している事を承知の上で、エンターテイメントを追求しているんです。そこをちょっと馬鹿にしたような書き方をしているのが気になりました。SF小説は哲学書じゃありませんから。しかし、こういうのを「哲学」というのであれば、オレは中学高校時代に既に哲学を知っていたことになります(専門用語は知りませんし、カントなんて読んでませんが)。少しでも驚くような思考実験であればまだ読み応えがあったのにと残念に思います。これから読もうかどうしようかと迷っている方にはあまりお勧めしません。
『カジシンの躁宇宙』は面白かった。1982年から1996年までの15年間、熊本日日新聞で掲載されていたコラムをまとめたものですが、今読んでも古さを感じさせないものばかり。時事ネタでも、そういえばそんなこともあったなぁと思い出しながら読んでいました。『カジシンの躁宇宙プラス馬刺し編』というのも出ているのですが、こちらはまだ読み終わっていません。馬刺し編の方は、コラムだけでなくて、短編もついているのです。それにしてもカジシンさんのコラムはどこまでが本当でどこからが創作なのかさっぱりわかりません(笑)。もちろん、明らかに作った話というのはわかるんですが、ところどころ「これは実際にあった話?」と思いながら読んでいました。一日一編ずつ読むつもりが、次第に一日一年分になり、やがて最後のほうは一気に読んでしまいました。笑いながら読める明るい本です。オススメです。
080/200 梶尾真治、『クロノス・ジョウンターの伝説』、ソノラマ文庫、2003
朝日ソノラマ
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「朋恵の夢想時間」は他の単行本に未収録(別のアンソロジー集に収録)。梶尾真治さんのハッピーエンドはわかっていても気持ちがいいです。
081/200 笹本祐一、『エリアル(ARIEL) 3』、ソノラマ文庫、1988
朝日新聞出版
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(読んだのはソノラマ文庫版)エリアル珍しく大活躍、と思ったら...「続・タイムトラブラー」もいい話でした。
082/200 青山拓央、『タイムトラベルの哲学』、講談社、2002
講談社
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SF者なら一度ならず考えたことのあるはずの内容を整然と記述している。残念ながら、驚くような目新しい考え方はなかった。
083/200 梶尾真治、『カジシンの躁宇宙』、平凡社、1997
平凡社
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熊本の人は15年間もこんなに面白いコラムが読めて幸せでしたね。改めてカジシンさんの話は面白いなぁと感じました。
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