春に情報処理技術者試験のテクニカルエンジニア(システム管理)に合格した。その際、午後 II の論文問題の書き方を勉強したので、メモに残しておく。現行の試験制度はこの秋で終わりだが、その後の論文問題にもおそらく応用できるものと思う。
平成20年度春期情報処理技術者試験、テクニカルエンジニア(システム管理)の午後 II の問題から、オレは問2を選択した。問題は以下の通り。
問2 システム運用管理ツールの導入準備について
システム運用管理における業務効率や運用品質の向上のためには、システム運用管理ツール(以下、ツールという)を効果的に利用することが重要である。ツールを利用することで、障害の自動検知による対応の迅速化、システム構成の管理支援による作業の省力化、オペレーションの自動化による運用品質の向上、などが可能となる。
ツールを導入するに当たって、システム管理エンジニアは、運用管理業務における課題や目標を整理した上で、次のような準備作業を行う必要がある。
(1) 課題や目標を達成するために、ツールに求められる要件を整理する。
(2) ツールの機能、性能、費用、効果などを机上で評価し、候補を挙げる。
(3) 候補のツールを試用して評価し、採用するツールを決定する。
(4) ツールを活用した場合のシステム運用手順書を作成する。
(5) 本番運用への影響などを考慮し、ツールのインストール手順書を作成する。
これらの準備作業を進めていく際に、様々な問題が発生することがある。システム管理エンジニアは、これらの問題を主体的に解決していくことが重要である。
あなたの経験に基づいて、設問ア~ウにしたがって論述せよ。
設問ア ツールの導入対象となった運用管理業務の概要と、その運用管理業務の課題や目標、及びツールの導入におけるあなたの役割について、800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べたツールの導入において、課題や目標を踏まえて実施した準備作業と、その際に発生した問題について、具体的に述べよ。また、その問題をどのように解決したか。工夫した点を中心に具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べたツール導入の準備作業について、どのように評価しているか。今後の課題は何か。それぞれ簡潔に述べよ。
2時間という枠の中で書かなければならないので、大層な論文は期待されていない。書かなければならないことはすべて問題文の中に記述されている。これを忘れてはいけない。
制限事項が一つだけある。設問アは800字以内、設問イと設問ウは合わせて1,600字以上、3,200字以内で書かなければならない。これは問題の注意事項として問題用紙に書かれているので、きちんと読んでから解答する。
最初にすべきことは章立て。設問を見ながら、構成を考える。この問題の場合には以下のように組み立てると良いだろう。
1.1 ツールの導入対象となった運用管理業務の概要
1.2 運用管理業務の課題や目標、及びツールの導入における私の役割
ここまでが設問アの内容となる。設問イと設問ウはあわせて次のようにする。
2.1 課題や目標を踏まえて実施した準備作業
2.2 発生した問題
2.3 問題の解決方法と工夫した点
3.1 ツールの準備作業についての評価
3.2 今後の課題
あとは自分の経験を生かして、それぞれの章立てにしたがって升目を埋めていくだけだ。
ここで、忘れてはならないことは、問の設問の前に書かれている本文をよく読むこと。この中に答えは書かれている。キーとなる部分を抜き出すと、以下のようになる。
- ツールを効果的に利用することが重要である。
- 障害の自動検知による対応の迅速化
- システム構成の管理支援による作業の省力化
- オペレーションの自動化による運用品質の向上
- ツールに求められる要件の整理
- 機能、性能、費用、効果などを机上で評価
- 候補のツールを試用して評価し、採用するツールを決定
- システムの運用手順書
- インストール手順書
こうした事柄に焦点を当てて記述していけばよい。これだけのことを考慮しながら作文していけば、400字詰め原稿用紙2枚+4枚~8枚程度の文章であれば、おのずと書く内容も決まってくるだろう。採点するほうも問題文に沿った解答を期待しているはずだ。したがって、試験論文には奇抜なことを書く必要はない。問題文で問われたとおりの事を素直に記述すればよい。
オレの場合にはオープンソースの Nagios (採用当時は Netsaint という名前だった)という監視ソフトウェアを選択するに至った経緯と、その問題点、解決方法などを書き連ねた。具体的なソフトウェア名は記述しなかったが単にオープンソフトウェアをなぜ採用したかという部分に焦点を当てた。合格した今だからこそ言うが、前提となったシステムの要件は実際に携わったシステムのものではなく、架空のシステムを想定した。経験した内容は嘘ではないので、論文を書くに当たって、適切な規模のシステムに書き換えた次第である。
試験を受ける前に論文を用意しておいて丸暗記し、問の内容に合わせて少しだけ変更して解答するというようなテクニックもあるらしいが、オレは丸暗記が大嫌いで苦手なので、その方法はやらなかった。そのかわり、過去の問題を見て、章の立て方、キーとなる言葉の選択(記述すべきキーワードの選択)を考えることに時間を費やした。それぞれ一長一短あるだろうが、オレは丸暗記よりも解答の考え方を訓練する方が実になると思っている。
なお、これらの考え方は『テクニカルエンジニアシステム管理合格論文集』から学んだもので、他人の論文を読むことよりも、考え方が非常に参考になった。合格論文集を買い求めるのであれば、このシリーズを買うと良いだろう。
普段から文章を書きなれていない人は、書くための訓練はしておいた方がよいだろう。齋藤孝さんの『原稿用紙10枚を書く力』はそのための方法として非常に参考になった。同書でも上に記述したような、論述の組み立てを推奨している。訓練がそのまま試験論文の解答の方法に結びつくので、是非とも試してみて欲しい。
以上、稚拙ながら情報処理技術者試験の論文の書き方を書いてみた。これから論文のある試験を受けようという方の参考になれば幸いに思う。
リックテレコム
売り上げランキング: 255834
斎藤 孝
大和書房
売り上げランキング: 62818
最近のコメント