ファクター10 とエコリュックサック
久しぶりに安全・安心研究会の紹介.今月の話題は「ファクター10」でした.(「ガスター10」ではありません(笑))
「ファクター10」とは,簡単に言ってしまえば,環境の資源の動きを 50 年後に現在の 10 分の1にしましょうという話のキーワード.環境問題の話ですね.オレは環境問題には疎いので,なかなか興味深い話でした.
フレードリヒ・シュミット=ブレーク氏が提唱する「ファクター10」では,(私の理解が間違っていなければ) 「エコリュックサック」と「MIPS ("Material Intensity" per "Service Unitz")」の問題を解決しようという二点の提言.「エコリュックサック」は何かを作り出すためにはその背後に大きな資源の動きがあり,それが環境破壊につながっているということ.「MIPS」は資源効率を表すための指標で,サービス単位あたりの(エコリュックサックを含めた)動かす資源の総量.このふたつを小さくすることで,環境破壊が食い止められるということでした.
もうひとつキーワードがあり,それが「脱物質化」.物質に依存することなく生活する環境を作り出そうというもの.
この提言のポイントは CO2 削減のような出力側の削減だけではなく,入力側の資源の動きを根本的に変えようということ.ただし,具体的にどのようにやっていくのかということは示されていません.それを各分野,各事業で考えましょう,という提言なのです.
CO2 削減の指標の計算には LCA という方法が使われるそうですが,その方法と相矛盾する話ではなく,CO2 削減の考え方とともに生産元から小さくしようということ. CO2 を日本という国(あるいは他の先進国)だけでいくら削減しても,輸入元の国で CO2 が増えてはグローバルに見て削減したことにはならない.そこで原料の縮小とともに,原料を取り出すために使われる力なども削減するという話なのです.
基本的な理念は単純ですが,これを実践するのは難しいですね.2050 年に 10分の1にするためには少しずつでも今すぐ取り組み始めなければいけないということでした.
リサイクルについても,リサイクルに使用する外部からの資源の使用が,結局エコリュックサックを大きくするのであれば,他の方策を考えるべきだというのもうなずける点でした.
事例が少ないらしいので,具体的にどのようにやっていけばよいのかということについてはまだまだ議論の余地があるらしいですが,入力側に視点を置いた,面白い考え方だと思いました.基本的には非常にシンプルな考え方ですが,エコリュックサックの総量を算出したりすること自体が難しいんだろうと思います.
「脱物質化」の話を聞いたときには,即「IT化」が頭に浮かびました.貨幣の電子化や紙上情報の電子化などなど.しかし,コンピュータを動かすためにも資源が必要なので,それだけで単純にはいかないというのも難しい点です.
翻訳書が二冊出ているそうですが,どちらも原書からして難しい内容なので,楽しんで読み進められるというものにはなっていないそうです.「エコリュックサック」の本は昨年出版されたので,比較的新しい内容について具体例なども書かれているそうですが,本当に興味がある人じゃないと読むのはつらいかもしれないというのが講師の先生からの話でした.
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